1 はじめに
今回は「菊芋」を取り上げます!皆さん「菊芋」をご存じでしょうか?あまり有名ではないかもしれませんが、菊芋は血糖値の上昇を抑える効果やダイエットの効果があるなど、注目を集めている食材です。「最近、血糖値が気になる…」「ダイエットしたいけど、なかなか続かない…」、そんな悩みを抱えているあなたにおすすめしたい食材です。今回はそんな菊芋の様々な効能を中心に取り上げていきます。
〇今回の内容をおススメする読者
- ・血糖値が気になる方
- ・ダイエットに興味がある方
- ・健康的な食生活を送りたい方
- ・菊芋に興味がある方
2 菊芋の特徴
「菊芋」は芋という名前がついていますが、キク科の多年草でじゃがいも(ナス科)やさつまいも(ヒルガオ科)とは異なる種類のものです。他の芋類と比べて、でんぷんをほとんど含まないため、糖質が非常に低くなっており、カロリーが低い食材となっています。そして菊芋には水溶性食物繊のイヌリンという成分が豊富に含まれていることが特徴です。このイヌリンが近年注目を集めており、このイヌリンが血糖値を効果的に抑えてくれる効果があります。また、ビタミンC、クロロゲン酸(ポリフェノール)等の栄養素が含まれており、これらの成分による美容効果が期待できるため、メリットの多いスーパーフードと言えます。
3 菊芋のコスパ
後段で計算している1日の摂取量の目安(40g)から計算すると、1日あたり約80円になります。(1g2円が目安)
なお、菊芋の特徴的な成分であるイヌリンは100グラムあたり、約6グラム含まれているとされています。イヌリン1gで計算すると約33円となります。
県産品 イヌリン 可食部100gあたりの含有量(g)キクイモ 6.0
4 菊芋に期待できる効果・効能
菊芋の健康・美容効果に関して、様々な研究結果があります。
〇 体重の減少(ダイエット効果)血糖値の低下(糖尿病の予防)、コレステロール値の改善、
菊芋由来のイヌリンを投与するマウスの実験では、体重の減少、糖尿病の原因となる血糖値の低下、コレステロール値の改善に効果があったとの結果となっています。
なお、菊芋にはほとんど糖質が含まれていないため、その面でもダイエットに効果的です。
(結論
菊芋イヌリンは、HFDを摂取したマウスおよびSTZを投与したマウスにおいて、用量依存的にFBGおよび血中脂質値を低下させ、抗高血糖効果を示した。イヌリン投与後、高血糖マウスでは肝臓関連遺伝子の発現が変化し、腸管におけるバクテロイデス属細菌の割合が有意に増加した。菊芋イヌリンは、HFDを摂取した高血糖マウスおよびSTZを投与した高血糖マウスにおいて、糖尿病を軽減し、有益な腸内細菌叢を増加させる可能性がある。菊芋イヌリンは、高血糖の予防および/または治療における機能性食品成分として有用である可能性がある。)Conclusions
Jerusalem artichoke inulin reduced the levels of FBG and blood lipids in a dose-dependent manner and showed the antihyperglycaemic effects in mice fed the HFD and those treated with STZ. After the treatment with inulin, the expression of liver-related genes changed in the hyperglycaemic mice, and the proportion of Bacteroides in the intestinal tract of hyperglycaemic mice increased significantly. Jerusalem artichoke inulin may alleviate diabetes and increase the beneficial intestinal microbiota of HFD-fed hyperglycaemic mice and STZ-treated hyperglycaemic mice. Jerusalem artichoke inulin may be useful as a functional food ingredient in the prevention and/or treatment of hyperglycaemia.
〇 腸内環境の改善
菊芋の抽出物を用いたヒトへの研究で、腸内のビフィズス菌、乳酸菌、腸球菌属の菌数を増加させることが示されています。
腸内環境が改善することによって期待できる効果は大きく、便秘の解消や免疫力の向上、美肌効果、メンタルの安定まで効果が期待できます。
(66名のボランティアを対象とした別の研究では、イヌリンがビフィズス菌、乳酸菌、腸球菌属の菌数を増加させることが証明されました[53]。さらに、高齢者にH.tuberosus粉末を1日5g、朝に摂取させることで、腸内細菌叢に有益な効果が認められました[54]。)
Another study with sixty-six volunteers proved that inulin increases the levels of Bifidobacteria, Lactobacillus, and Enterococcus genera [53]. Additionally, supplying older adults with 5 g/day of H. tuberosus powder in the morning was beneficial to intestinal microbiota [54].
〇 美肌効果(アトピー性皮膚炎の改善)
アトピー性皮膚炎を患ったマウスへの研究で菊芋の抽出物によって、アトピー性皮膚炎の症状が改善したという研究結果があります。
美肌の効果が期待できます。
(4.2. 皮膚科治療
Helianthus tuberosusは外用および内服にも使用できます。ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides farina)によって引き起こされるアトピー性皮膚炎のマウスとHaCaTケラチノサイトにエタノール抽出物を塗布したところ、症状の緩和と軽減、表皮肥厚の減少、およびフィラグリンの発現増加が認められました[47]。H. tuberosusから単離されたイヌリンは、ボディウォッシュジェルなどの化粧品の開発に利用されており、皮膚刺激を軽減します。)
4.2. Dermatological Treatments
Helianthus tuberosus can also be applied externally and internally. Ethanol extracts applied in mice with atopic dermatitis caused by the mite Dermatophagoides farina and HaCaT keratinocytes demonstrated relief and attenuation of symptoms and a decrease in epidermal thickness, alongside enhanced expression of filaggrin [47]. Inulin isolated from H. tuberosus has been used to develop cosmetic products, such as a body wash gel, decreasing the skin irritation
5 菊芋に含まれる主な栄養素
・食物繊維(イヌリン)
・ミネラル(カリウム、鉄、カルシウム、マグネシウム、リン)
・ビタミン(B1、B2、B6等のビタミンB群、ビタミンC)
・ポリフェノール
6 菊芋の摂取量の目安
菊芋の健康への効果を調べた研究結果では1日40gの摂取が血糖値の低下に効果があったとされていますので、1日の摂取量の目安は「40g」になります。
なお、菊芋を150g摂取した際の健康への効果が認められた研究結果があります。
また、菊芋に多く含まれるイヌリンの研究では、イヌリンは1日10gまでに抑えるよう推奨されています。(イヌリン10gを基準に、生の菊芋に含まれるイヌリンの含有量(100gで約6g)
これらから計算すると、菊芋の摂取量の上限は160g程度までにするのが良いと思います。
なお、菊芋にはカリウムが多く含まれているため(菊芋100gあたり約600mg)、腎臓に障害のある方は医師へ相談の上、摂取してください。
〇 菊芋の健康効果の研究(菊芋の粉末と発酵大豆の粉末の混合物による研究)
(対象/方法
本試験は、空腹時血糖値異常(IFG)、耐糖能異常(IGT)、または新規2型糖尿病と診断された60名の被験者を対象に、無作為化二重盲検プラセボ対照試験を実施しました。被験者は、キクイモと納豆の粉末を混ぜた混合物を1日40g(各19.45g)摂取する群と、プラセボを12週間投与する群に無作為に割り付けられました。群内比較には対応のあるt検定、群間比較には独立したt検定を実施しました。
結果
キクイモと発酵大豆粉末の混合物を摂取することで、空腹時血糖値(p < 0.001)、遊離脂肪酸(p = 0.034)、60分血糖値(p = 0.004)、血糖値(p = 0.006)、反応曲線下面積(AUC)、恒常性モデル評価(インスリン抵抗性)(p = 0.018)、尿中8-エピ-プロスタグランジンF2α(8-エピ-PGF2α)値(p = 0.028)が減少した。尿中8-エピ-PGF2α、60分血糖値、120分血糖値、AUC、0分遊離脂肪酸、AUCの変化(Δ)は、2群間で有意に異なっていた。さらに、120分時点のΔグルコース(r = 0.472、p = 0.027)およびΔグルコースAUC(r = 0.572、p = 0.005)は、試験群の△血漿マロンジアルデヒドと正の相関関係にあった。)
Subjects/Methods
This randomized, double-blinded, placebo-controlled study was conducted on 60 subjects with impaired fasting glucose (IFG), impaired glucose tolerance (IGT), or newly diagnosed type 2 diabetes. The subjects were randomly assigned to either a group that ingested 40 g of a Jerusalem artichoke and fermented soybean powder mixture (19.45 g each) daily or a group that received a placebo for 12 weeks. Paired t-test and independent t-test were performed for comparisons within groups and between groups, respectively.
Results
Supplementation with the Jerusalem artichoke and fermented soybean powder mixture reduced the levels of fasting glucose (p < 0.001) and FFAs (p = 0.034), glucose at 60 min (p = 0.004), glucose (p = 0.006) areas under the response curve (AUC), homeostasis model assessment-insulin resistance (p = 0.018), and the urinary 8-epi-prostaglandin F2α (8-epi-PGF2α) level (p = 0.028). The changes (Δ) in urinary 8-epi-PGF2α, glucose at 60 min, 120 min, and AUC, FFAs at 0 min and AUC were significantly different between the two groups. In addition, Δ glucose at 120 min (r = 0.472, p = 0.027) and the Δ glucose AUC (r = 0.572, p = 0.005) were positively correlated with △ plasma malondialdehyde in the test group.
〇 菊芋の摂取量と健康への効果の研究
(菊芋の効果の用量依存性を調査するため、白米摂取前に菊芋50g、100g、150gを摂取し、白米のみを摂取した場合と血漿中のグルコース濃度およびGIP濃度を比較した(試験2)。試験1の結果と同様に、菊芋150gは対照食と比較して、60分後にグルコース濃度を低下させた(P = 0.046)、100gは90分後にグルコース濃度を低下させた(P = 0.043)。さらに、菊芋150g摂取後のグルコースAUCは、対照食と比較して有意に低かった。)
To investigate the dose-dependency of the effects of Jerusalem artichoke, 50, 100, and 150 g of Jerusalem artichoke were consumed prior to white rice, and the plasma glucose and GIP concentrations were compared to those following the ingestion of white rice alone, as Trial 2. Similar to the results of Trial 1, 150 g of Jerusalem artichoke reduced the glucose concentration at 60 min (P = 0.046) and 100 g reduced it at 90 min (P = 0.043) versus the control meal. In addition, the AUC glucose following the consumption of 150 g Jerusalem artichoke was significantly smaller than that associated with the control meal
〇 イヌリンの摂取量の目安
(健康な若年成人において、天然イヌリン1日最大10g、オリゴフルクトース5gまでの摂取は忍容性が良好であった。)
Conclusions
Doses up to 10 g/day of native inulin and up to 5 g/day of oligofructose were well-tolerated in healthy, young adults.
引用元_Gastrointestinal Tolerance of Chicory Inulin Products_JAND_June 2010
7 菊芋の注意点、食べ方
菊芋はキク科の植物であるため、ブタクサやヨモギなどにアレルギーがある人は、アレルギー症状(鼻水、かゆみ、喉の違和感など)が起きる可能性があるため注意が必要です。
また、菊芋に含まれるイヌリンにもアレルギーがあるため注意が必要です。
前段で記載したとおり、カリウムが多く含まれているため、腎臓の機能に障害のある方は特に注意してください。
なお、菊芋の重要な成分であるイヌリンは熱に弱いため生で食べることをおすすめします。(私自身も生でかじっています)
菊芋自体はしょうがのような形状、硬さですが、少しだけ甘みのある癖のない味になっています。サラダにするなどの方法もありますので、ご自身にあった食べ方を見つけてみてください。
私自身は近くのスーパーで購入していますが、通販でも買えます。
また、菊芋茶として日常に取り入れることも可能です。
8 まとめ
菊芋は、低カロリーで糖質が少なく、ダイエットにぴったりの食材です。また、菊芋に含まれる「イヌリン」によって血糖値の上昇を緩やかにすることや、腸内環境の改善の効果も期待できます。その他ビタミンCやポリフェノールも含まれており、美容ヘの効果も期待できるスーパーフードと言えます。是非、日常に適度な量を取り入れ、効果を実感してみてください。
Q1: 菊芋に期待できる健康・美容効果
A1:・体重の減少(ダイエット効果)、血糖値の低下(糖尿病の予防)、コレステロール値の改善
・腸内環境の改善
→これによって便秘の解消や免疫力の向上、美肌効果、メンタルの安定
・ 美肌効果(アトピー性皮膚炎の改善)
Q2: 菊芋の1日の推奨量
A2:1日あたり約40g
Q3: 菊芋のコストパフォーマンス
A3:1g約2円が目安。
摂取量の目安(40g)から計算すると、1日あたり約80円。(月間約2,400円)
Q4: 菊芋の注意点
A4:・キク科の植物やイヌリンのアレルギーのある方は摂取を控える必要あり。
・イヌリンは熱に弱いため、生で食べることを推奨。


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