【注意!】果汁・野菜ジュースの落とし穴!知らないと危険な理由

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注意が必要
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1 はじめに

「健康や美容に良さそうだから」、「手軽に栄養補給できるそう」と毎日野菜ジュースを飲んでいる方も多いと思います。

 野菜や果物が健康に良いのは間違いありませんが、それが果汁や野菜ジュースであっても同じ効果が得られるのでしょうか。
 今回は一見健康や美容に良さそうですが、注意が必要な「果汁や野菜ジュース」について取り上げます。

〇 この記事を読むメリット

・「果汁・野菜ジュース」のリスクを知ることができる

・健康的な食事への理解を深めることができる

・「果汁・野菜ジュース」に代わる栄養の取り方を知ることができる

2 果汁や野菜ジュースの注意点

  100%のフルーツジュースや野菜ジュースについて、健康に良い影響を与える研究結果は多くありますが、次の点には注意が必要です。


2.1 栄養素が失われている

 果汁や野菜ジュースは、製造過程で加熱殺菌や濃縮還元が行われることによって、食物繊維の多くが除去されてしまいます。
 10,000人を超える大規模な調査で、果物そのものを長期間食べた場合には、肥満のリスクを下げる効果がありましたが、100%のフルーツジュースを飲んだ場合には、反対に体重の増加(3年間で約1.2Kg)が見られたという研究結果があります。
 これは食物繊維が失われてしまったことによるものと考えられます。

【フルーツジュースの摂取による体重増加】

 In the Women’s Health Initiative (49,106 postmenopausal, 3 years) each serving of 100% fruit juice/day was associated with a mean 3-year weight gain of 0.4 lbs, partly due to the loss of fiber during processing [102]. For better weight control or modest weight loss overtime, diets containing higher non-juice whole fruits were more effective than fruit juice or vegetables, especially starchy vegetables.

引用元_Whole Fruits and Fruit Fiber Emerging Health Effects_Nutrients 2018, 10(12), 1833; https://doi.org/10.3390/nu10121833_by Mark L. Dreher Mark_Nutrition Science Solutions, LLC, Wimberley, 78676 TX, USA

 また、熱に弱いビタミンやポリフェノールが失われてしまうことがあります。
 イチゴを対象にした研究で、生のイチゴをジュースやピューレにすることによって、ビタミンCが17%~22%、ポリフェノール(アントシアニン)が21%~67%失われるという研究結果があります。 

【イチゴを加工することによって失われる栄養素】

two studies on strawberries have shown that heat processing whole raw strawberries into puree, juice, nectar and wine significantly reduced the antioxidant compounds such as 17%–22% of vitamin C, 21%–67% of anthocyanins and 27%–30% of phenols引用元_Whole Fruits Versus 100% Fruit Juice: Revisiting the Evidence and Its Implications for US Healthy Dietary Recommendations_PMCID: PMC12398644 PMID: 4034175_

2.2 空腹感を感じやすい

  リンゴを丸ごと食べた場合とリンゴジュースを飲んだ場合を比較すると、リンゴを丸ごと食べた方が、満腹感が高く、エネルギーの摂取量が低くなったという研究結果があります。これはリンゴジュースに食物繊維が少ないこと、咀嚼が無いことが影響していると考えられますが、結果、カロリーを取りすぎることに繋がるかもしれません。

【丸ごとリンゴを食べた場合とリンゴジュースを飲んだ場合の空腹感の違い】

A study by Flood‐Obbagy and Rolls used preloads of apples in the form of whole apples, applesauce and apple juice (with and without added fibre) and demonstrated that consuming whole apples led to reduced lunch energy intake and greater satiety compared to applesauce and apple juice引用元_Whole Fruits Versus 100% Fruit Juice: Revisiting the Evidence and Its Implications for US Healthy Dietary Recommendations_PMCID: PMC12398644 PMID: 4034175_

2.3 添加物による悪影響

 これまで紹介した内容は100%のフルーツジュースに関するもので、適量を守っていれば健康への悪影響はそれほど大きくはありません。ただ、市販のフルールジュースや野菜ジュースには、飲みやすくするために糖分(果糖ぶどう糖液糖などの高果糖液体)や塩分が加えられているものが多くあります。
 これらは健康への悪影響が懸念されるもので、特に注意が必要です。

【100%以外のジュースが2型糖尿病のリスクを高めたという研究結果】

The consumption of non-100% fruit juice increased the risk of type 2 diabetes mellitus. Unlike whole fruit consumption, 100% fruit juice had no beneficial effect on the risk of type 2 diabetes mellitus.

引用元_Consumption of Fruit Juice and Risk of Type 2 Diabetes Mellitus: A Systematic Review and Meta-Analysis of Prospective Cohort Studies_DOI: 10.1016/j.amjmed.2025.05.021 _Elsevier Inc.

 また、特に野菜ジュースでは塩分を多く含んだものがあります。
 日本人の塩分摂取量は9.7gと、厚生労働省の目標値を大きく上回っておりほとんどの方にとっては、塩分の摂取量を減らす必要があるため、できれば塩分が添加されたものは避けたいところです。
 特に腎臓が悪い方は注意が必要です。

【日本人の目標塩分摂取量】
(日本人の摂取量の平均値)
・9.7g(2018年)
(厚生労働省の目標摂取量)
・成人男性は7.5g未満、成人女性は6.5g未満が目標
・高血圧および慢性腎臓病の重症化予防のためには男女とも6g未満が目標量


引用元_「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書_厚生労働省

3 対策

 100%のフルーツジュースや野菜ジュースの注意点を紹介しましたが、次のような対応を行うようにしましょう。

3.1  果物や野菜そのものに置き換える

 100%のジュースや野菜ジュースは健康への効果が認められるものの、果物や野菜そのものと比較すると、栄養素が劣る傾向にあります。
 そのため、可能な限り果物や野菜に置き換えることが望ましいです。
 手軽に摂取できるものとしては、バナナやミカン、トマト等があります。また、レーズンやプルーンなどのドライフルーツであれば、日々の生活に取り入れるのも比較的容易ではないでしょうか。

3.2  無添加のものを選ぶ

 前述のとおり、市販のフルーツジュースや野菜ジュースは糖分や塩分が加えられているものが多くあります。
 添加物が多いものは、かえって健康を害する危険性があります。
 成分表示は必ず確認し、無添加に近いものを選ぶのがよいでしょう。

3.3 適量を守る

 前述のとおり100%のジュースや野菜ジュースは食物繊維が少ないことや咀嚼が不要であることから、満腹感を感じにくいため、摂取量が多くなりがちです。
 そのため、飲みすぎないよう適量は守るようにしましょう。
 果汁の目安は1日1カップ約240mlが未満となります。
 なお、野菜ジュースに関する摂取量に関する研究はあまりありませんが、あくまで野菜摂取の補助程度に留めるのが良いでしょう。

【果物の推奨量1日2カップのうち、果汁は半分以下にすることを推奨)】

Current guidelines recommend that at least half of the daily recommended fruit intake of two cups a day should come from whole fruits, potentially allowing the other half to be fulfilled by 100% fruit juice. 

引用元_Researchers recommend national dietary guidelines reflect the true benefits of whole fruit versus fruit juice_UCI Health Sciences Complex 856 Health Sciences Quad University of California

4. 野菜ジュースとスムージーの違い

 ジュースと似たものにスムージーがあります。スムージーは、果物や野菜を丸ごとミキサーにかけて作るため、ジュースと比較して食物繊維が豊富で、栄養バランスも優れています。

項目野菜ジューススムージー
特徴液状のため吸収が早い。食物繊維は少ない。固形物も含まれるため、食物繊維が豊富。ビタミン、ミネラル、酵素などがバランス良く摂取できる
特徴加熱処理されているものが多く、栄養素が失われている場合も多い。また糖分が添加されているものも多い。生の野菜や果物をそのままミキサーにかけ、加熱処理が少ないため栄養素が壊れにくい。
メリット手軽に栄養補給できる。様々なフレーバーを楽しめる。食物繊維が豊富で、腸内環境改善に役立つ。満腹感が得やすい。
デメリット食物繊維が不足しがち。糖分過多になる可能性がある。液状ではないため、飲みづらいと感じる人もいる。

5 まとめ:果汁や野菜ジュースの健康的な摂取を考える

 果汁や野菜ジュースは、手軽に栄養を摂取できる便利な飲み物ですが、健康へのリスクが高いものもあります。
 選ぶ際には成分表示をよく確認し、飲みすぎには注意しましょう。
 また、生の果物や野菜と比べて、栄養素が少なく、期待しているほどの効果が無い場合もありますので、できるだけ生の果物や野菜を摂るように置き換えていきましょ

う。

Q1: 果汁や野菜ジュースの注意点

A1:・栄養素が失われている
  ・空腹感を感じやすい
  ・添加物による悪影響

Q2:果汁や野菜ジュースの摂取量の目安

A2:・果汁の目安は1日1カップ約240ml未満
  ・野菜ジュースは、あくまで野菜摂取の補助程度に留める

Q3: 対策

A3:・果物や野菜そのものに置き換える
   ・無添加のものを選ぶ
   ・適量を守る

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