1 はじめに
毎朝、ヨーグルトを食べている方も多いと思います。
ヨーグルトはイメージどおり、乳酸菌を含む健康的な発酵食品です。
ヨーグルトは発酵に使われる乳酸菌に色々な種類があり、それぞれの乳酸菌によって、健康効果が変わってきます。
そんな数あるヨーグルトの中で私がおすすめしているのは、「ケフィアヨーグルト」です。ケフィアヨーグルトは一般的なヨーグルトと比べて、発酵に使われる乳酸菌が多く、しかも一般的なヨーグルトには含まれない酵母の働きもあり、一般的なヨーグルトより健康・美肌効果が期待できるものなんです。ここでは自宅で牛乳から作ることができる「ケフィアヨーグルト」の栄養価や自宅での作り方について詳しくご紹介します。
2 ケフィアヨーグルトの特徴
ケフィアヨーグルトは一般のヨーグルトと比べて乳酸菌の数が多く、酵母との複合発酵が行われているものです。(一般のヨーグルトは乳酸菌1~3種類の単独発酵、ケフィアヨーグルトは4種類以上の乳酸菌と3種類の酵母による複合発酵)
ケフィアヨーグルトは世界有数の長寿国であり、また美人が多いと言われるヨーロッパのコーカサス地方で1000年以上前から作られているものです。
一般的なヨーグルトと比べて、柔らかく飲み物に近い食感となっており、酸味も強くなく、マイルドな味わいです。
なお、ケフィアヨーグルトは発酵の過程で炭酸ガスが発生することから、容器が破裂してしまう可能性があるため、スーパーなどで販売することは難しいものとなっています。(販売されているものもあります)
3 ケフィアヨーグルトのコスト
後段で計算している1日の摂取量の目安は1日あたり200~300MLとなっています。
これで計算すると牛乳(または豆乳)2本(約200円×2)、種菌1本(約100円)で約500円(週)です。(牛乳1本分1000MLで計算)
なお、一般的なヨーグルトカップは約100MLとなっていますので、これで計算すると大体牛乳1本で1週間分となりますので、約300円となります。
4 ケフィアヨーグルトに期待できる効果・効能
ケフィアヨーグルトの健康・美容効果に関して、様々な研究結果があります。
〇整腸作用による健康効果
一般的なヨーグルトよりも多種類の乳酸菌が含まれているため、腸内バランスの改善効果が大きいと考えられていますが、「血圧低下」、「抗ガン作用」、「血糖値の低下」、「抗菌・抗炎症作用」、「抗酸化作用」に効果が認められた研究結果となっています。 更に「精神面の改善(気分の向上)」にまで、効果が期待できるようです。
3.1. Anti-Hypertensive
(略)
3.2. Anti-Cancer
(略)
3.3. Anti-Diabetic
(略)
3.4. Anti-Microbia
(略)
3.5. Anti-Inflammation
(略)
3.6. Antioxidant
(略)
3.7. Hypocholesterolemic Effect
(略)
Furthermore, recently there has been an immense interest in the studies of altered gut microbiota in response to mental health upon kefir consumption. In fact, the term kefir derived from the Turkish word “keyif”, indicate a good feeling and pleasure after consumption suggested its potential gut-brain axis relationship.引用元_Licensee MDPI, Basel, Switzerland. PMCID: PMC8226494 PMID: 34071977
また、便通の改善に効果があったという研究結果もあります。
非摂取期における平均排便日数は2週間当たり10.0日であったのに対し,摂取期では10.8日と有意に上昇した
〇美肌効果
ケフィアの摂取によって、「肌の水分量の増加」、「アトピー性皮膚炎の改善」の効果が認められたという研究結果があります。
In this study, kefir intake for eight weeks caused an improvement in the skin condition of healthy subjects, quantitatively demonstrated by a significant decrease in TEWL and increase in hydration on the forearm and forehead, compared to the control.
引用元_Licensee MDPI, Basel, Switzerland. PMCID: PMC8622502 PMID: 34829075
〇 骨粗鬆症の症状の改善
骨粗鬆症の患者が毎日ケフィアヨーグルトを摂取した結果、骨密度が改善されたことが示されています。これはケフィアヨーグルトに含まれるビタミンD、リン、マグネシウム、ビタミンK等の働きによるものと考えられます。
Kefir is a good source of calcium, which you need for good bone health. One study found that people with osteoporosis who drank kefir milk daily showed improvements in their bone mineral density. Kefir is also rich in other bone-building nutrients, including vitamin D, phosphorus, magnesium, and vitamin K.
5 ケフィアヨーグルトに含まれる主な栄養素
・タンパク質
・カルシウム
・カルシウム
・リン
・ビタミンD
・ビタミンK
・ビタミンB12
6 ケフィアヨーグルトの摂取量の目安
ケフィアヨーグルトの一般的な摂取量の目安は1日1日あたり200~300MLとなっています。
過剰摂取の心配はあまりありませんが、後段に記載のとおり、アレルギーのある方や免疫力が低下している方、特定の薬を服用している方は注意が必要です。健康目的であっても1日700mlまでが摂取量の上限の目安になります。
How Much Kefir Should You Drink a Day?
Daily consumption: Kefir is considered safe to consume daily. A typical serving size is one cup (8 ounces).
(略)
Recommended intake: Limit to no more than three cups (24 ounces) per day.引用元_ Verywell Health How Much Kefir Should You Really Be Drinking a Day?
7 ケフィアヨーグルトの摂取における注意点
一般的なプロバイオティクスの食品と同様、過剰に摂取するとおなかの張り、下痢、ガス、腹痛、便秘の症状がでることがあるようです。
また、牛乳アレルギーのある方は、牛乳から作られたケフィアの摂取には注意が必要です。(ケフィアヨーグルトは豆乳でも作れますので、豆乳で作ることによって、牛乳アレルギーのある方でも摂取できます。)
また、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする(乳糖不耐症)症状が出る方も注意が必要です。(ケフィアヨーグルトは乳酸菌の働きで乳糖が少なくなっているため、比較的症状がでにくくいと言われています)
また、プロバイオティクスの摂取は免疫系が弱い方(HIV患者、がん治療中の方等)は感染リスクが高まる可能性があります。
その他特定の薬(抗生物質、免疫抑制剤、抗うつ薬、抗がん剤、血液凝固抑制剤、コレステロール低下薬等)を摂取している方は、薬の作用に影響がある可能性がありますので、医師に相談の上、摂取してください。
Kefir is safe for most people to consume, but it may cause undesirable effects in some people, including digestive issues, an increased risk of infection, and interactions with certain medications.
8 ケフィアヨーグルトの作り方、注意点
私の作り方は以下のとおりです。この手順でほとんど失敗することはありません。
牛乳パックに雑菌が入ると上手く発酵できませんので、特に種菌を入れる時(手順(2))には、雑菌が入らないように注意してください。(空気中にも雑菌は漂っていますので、パックの口は開けっ放しにしないようにしてください)
手順(1)電子レンジで牛乳(豆乳)(※1)パックを温めます。(1,000mLのパック1本、500Wで3分20秒程度)
手順(2)温めた牛乳(豆乳)のパックの口を開き種菌を入れます。
手順(3)その後、牛乳パックの口をクリップ等で留めて、そのままヨーグルトメーカー(※2、※3)にセットし24時間ほど放置します。
(※1)「低脂肪牛乳」や「無脂肪牛乳」でも作れますが、「低温殺菌牛乳」、「乳飲料」、「調整豆乳」、「豆乳飲料」はヨーグルト作りに向いていません。
(※2) ヨーグルトメーカーにも色々な種類がありますが、牛乳パックのままセットできるものが手軽でおすすめです。
(※3) 温度の設定は夏場25度、冬場27度で設定しています。
私はこの種菌を使っています↓
こんなヨーグルトメーカーを使っています!↓(私が使っているものと同じ型のものはありませんでした)
これで一つ目(①)が完成します。
私は週に2つの牛乳パックを作りますが、2つ目を作るときには一つ目に作ったヨーグルト(①)を使うと種菌を使わなくても作れます。
2つ目の作り方は簡単で、
手順(2)の時に、種菌の代わりに一つ目で作ったヨーグルトを入れるだけです。(できるだけ多く入れてください)
ただし、1つ目で上手く作れなかった時には、そのヨーグルトは使わないでください。(失敗した時は、ほとんど牛乳のままなのですぐわかると思います)
また、カスピ海ヨーグルトでは残ったヨーグルトを種菌の代わりに使って、何度もヨーグルトを作り直すことができますが、ケフィアヨーグルトではうまくいかないことが多いので、先週作ったヨーグルトを種菌の代わりに使うのはやめましょう。
なお、25度以上の室温が保てれば、ヨーグルトメーカーを使う必要はないです。(暑すぎると発酵が進みすぎる可能性がありますので、注意してください)
賞味期限は冷蔵で約1週間となっていますので、早めに食べるようにしてください。
8 まとめ
ケフィアヨーグルトは一般的なヨーグルトに比べて、乳酸菌の数が多く、酵母まで含まれているため、より健康効果が期待できる優れた食品です。
自宅で作ることによって、市販品を購入するより安く続けることができます。(私は週に1回、牛乳と豆乳を1パックずつ作り、毎朝食べています。)
ぜひ、皆さんも日々の生活に取り入れてみて、その効果を実感してください!
Q1: ケフィアヨーグルトに期待できる健康・美容効果
A1:・整腸作用による健康効果
→「血圧低下」、「抗ガン作用」、「血糖値の低下」、「抗菌・抗炎症作用」、「抗酸化作用」、「精神面の改善(気分の向上)」、「便通の改善」
・美肌効果
→「肌の水分量の増加」、「アトピー性皮膚炎の改善」
・骨粗鬆症の症状の改善
Q2: ケフィアヨーグルトの1日の摂取量の目安
A2:1日あたり200~300ML
Q3: ケフィアヨーグルトのコスト
A3:1日約70円(摂取量285mlで計算)(月間約2,100円)
Q4: ケフィアヨーグルトの摂取における注意点
A4:・過剰摂取によるおなかの張り、下痢、ガス、腹痛、便秘の症状
・乳糖不耐症の方
・免疫系が弱い方
・その他特定の薬(抗生物質、免疫抑制剤、抗うつ薬、抗がん剤、血液凝固抑制剤、コレステロール低下薬等)を摂取している方
Q5: ケフィアヨーグルトの作り方、注意点
A5:・牛乳パックを電子レンジで温め、種菌を加えて、ヨーグルトメーカーにセット(約1日発酵させる)
・毎回種菌で作ることを推奨(植え継ぎは1回程度まで)
・作った後は冷蔵庫で保管し、1週間程度で食べきる。


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