1 はじめに
今回は一見健康に良さそうですが、摂取には少し注意が必要な食品・飲料を取り上げます。
健康のために選んだその食品が実は、健康に悪かったとしたら…
一見健康的に見えて実は要注意な食品・飲料を知ることで、より健康的な生活を手にしましょう。
2 今回の記事をおすすめする読者
• 「健康のために頑張っているのに、なぜか体調がイマイチ…」と感じている方
・血糖値を気にしている方
・ゼロカロリーの飲料を摂取している方
・本当に体に良いものを選びたいと考えている方
3 注意が必要な食品・飲料
① プロテイン
以前にも少し触れたプロテインです。
最近は筋トレ時にタンパク質の補給のため欠かせない存在となっています。また、筋トレをしない方でも、手軽にタンパク質を補給できるため、プロテインは一般的に飲まれています。
しかしプロテインは純粋な成分だけで作られているものばかりでは無いため、摂取には注意が必要です。
飲みやすくするため、人工甘味料や油脂、増粘剤や乳化剤といった添加物が多く含まれているものも多く、健康への悪影響が懸念されます。
また、リンが多く含まれがちであることや、そもそもタンパク質を摂りすぎてしまうことで腎臓の負担が大きくなってしまう懸念があります。
腎臓は一度悪くなるとなかなか回復させるのが難しい臓器ですが、悪化するにつれて塩分、タンパク質、カリウム等の制限が必要となってしまいます。
筋肉を付けるためには、タンパク質の摂取が効果的ですが、プロテインでのタンパク質の摂取には注意が必要です。
【プロテインのリスク】
プロテインには、健康によい栄養素がたくさん含まれています。しかしその分、過剰に摂取すると、身体に負担がかかります。とくに、腎臓や肝臓に問題のある方は、たんぱく質を摂りすぎてはいけません。
引用元_六本木ウィメンズヘルスクリニック
② 焼き芋
さつまいも自体は食物繊維などの栄養が豊富でむしろおすすめの食品になりますが、さついまいもを焼いて焼き芋として食べるとGI値が約90と、ごはんやパンを超えてしまうほど高くなってしまいます。(→このサイトでGI値を調べられます)
GI値とは、「Glycemic Index(グリセミックインデックス)」の略で、食品が血糖値に与える影響を数値化したものです。(ブドウ糖を摂取した時の血糖値の上昇を100として計算されます)GI値が高い食品を食べると「血糖値スパイク」(食後の血糖値の急激な上昇と下降)が起きやすくなります。「血糖値スパイク」は、血管への負担、糖尿病や心血管疾患のリスクを高めると言われており、健康への悪影響が懸念されます。
焼き芋の美味しさは良く分かりますが、さつまいもは焼かずに蒸す、茹でる方がGI値を下げることができ、健康的です。
また、冷やすことによってもGI値を下げることができます。
【さつまいもの調理法によるGI値の変化とおすすめの調理法】
健康のためにさつまいもを取り入れるなら、干す、蒸す、茹でる調理方法を選ぶと良いでしょう◎また、一度焼いたさつまいもは、冷やすことでGI値を下げることができます。ダイエット中にどうしても焼き芋が食べたいときは、冷蔵庫で冷やしてから食べましょう。
引用元_JA里浦
③ ひじき
ひじきも健康的な食材に思えますが、2004年7月イギリスの食品規格庁が自国民に対して、自国民に対してヒジキを食べない方が良いという勧告を出しています。
これはひじきに多くのヒ素が含まれていたことが判明したためです。
これに対する厚生労働省の見解は、ひじきを実際に食べる量は少ないため、ヒ素の基準値を超えるようなことはあまり考えられず、健康への影響は限定的というものでした。
過剰に心配する必要はありませんが、量の問題になりますので、継続して大量に食べるのは避けた方がよいでしょう。
なお、ひじきのヒ素を落とすために、調理前のゆでこぼしが推奨されています。
【厚生労働省の見解】
一方、WHOが1988年に定めた無機ヒ素のPTWI(暫定的耐容週間摂取量)は15μg/kg体重/週であり、体重50kgの人の場合、107μg/人/日(750μg/人/週)に相当します。FSAが調査した乾燥品を水戻ししたヒジキ中の無機ヒ素濃度は最大で22.7mg/kgでしたが、仮にこのヒジキを摂食するとしても、毎日4.7g(一週間当たり33g)以上を継続的に摂取しない限り、ヒ素のPTWIを超えることはありません。
引用元_厚生労働省
【ひじきのヒ素を除去する調理法】
乾燥ヒジキの無機ヒ素は、「水戻し」で5割程度減り、乾燥ヒジキを直接ゆでる「ゆで戻し」でも8割程度減りましたが、無機ヒ素を減らすための有効な方法は、水戻し後にさらにゆでる「ゆでこぼし」で、9割程度まで減りました。
引用元_農林水産省
④ 人工甘味料
人工甘味料は一般的に砂糖の使用を抑えるために使われ、「アスパルテーム」、「アセスルファムK」、「スクラロース」、「エリスリトール」等の種類があります。
カロリーを抑えながら、甘みを感じられ、また、血糖値の上昇を抑えられる点で有効なものと考えられています。
しかし、2023年5月、世界保健機関(WHO)は「体重管理や非感染性疾患のリスク低減を目的として非糖質系甘味料(人工甘味料)を使用しないよう」勧告するガイドラインを発表しています。
これは人工甘味料の長期使用が、2型糖尿病や心血管疾患(脳卒中、心臓発作)、全死亡リスクの上昇と関連する可能性が示唆されたためです。
また、人工甘味料はカロリーが控えめではありますが、むしろ空腹感を高め、体重の管理には逆効果との研究もあります。
人工甘味料は歴史が浅く、健康への影響も未知数な部分が大きいため、摂取は控えめにしたいところです。
砂糖の摂取を抑えるのであれば、果物等、天然の糖に置き換えるようにしましょう。
【WHOのガイドラインの一部内容】
The World Health Organization (WHO) recommends against using NSS for weight control and diet-related noncommunicable diseases. WHO found evidence that long-term use of NSS can lead to an increased risk of type 2 diabetes and cardiovascular diseases.
引用元_Mission Health
→(世界保健機関(WHO)が体重管理に人工甘味料(NSS)を使用しないことを推奨。また、人工甘味料の長期使用が2型糖尿病および心血管疾患のリスク増加につながる可能性があるというエビデンスを発見したという内容です)
【人工甘味料が空腹感を増大】
一方、スクラロースでは血糖値もホルモンも変わらず、また砂糖を摂取した場合に比べて空腹感は大きくなりました。
引用元_GIGAZINE
⑤ ノンオイルドレッシング
ノンオイルのドレッシングには油が使用されていないため、カロリーを抑えられるのが大きなメリットです。
ただ、一般的にノンオイルのドレッシングには油分の代わりに塩分や糖分が多く含まれている傾向があります。
また、保存料や人工甘味料が多く含まれているものもありますので、カロリーが低いからといって、大量に使うことは避けましょう。
⑥ スポーツドリンク
運動時や暑い季節の水分補給として、よく飲まれるスポーツドリンクですが、一般的な500mlのスポーツドリンクには角砂糖6~7個分の糖分が含まれています。
そのため、スポーツドリンクを飲みすぎることは、高血糖につながり、糖尿病のリスクを高める可能性があります。
強度の高い運動を行う場合は別として、普段の水分補給で飲むのは避けた方が良いでしょう。
⑦ エナジードリンク
一般的に体が疲れている時に、もうひと頑張りするために飲まれるエナジードリンクですが、これには大量のカフェインと糖分が含まれています。
エナジードリンクには、カフェインが70~200mgが含まれているものが多いですが、成人の1日のカフェイン摂取許容量は400mgとされており、1本飲むだけでかなりの摂取量となってしまいます。
また、角砂糖10個以上の糖分が含まれているものも多く、スポーツドリンクと同じく注意が必要です。
カフェインや糖分によって、一時的に眠気覚ましや疲労回復、集中力のアップを感じられますが、体にはかなり負担がかかるものです。
日常的に飲むことを避けるのはもちろんですが、疲れた時であってもできれば飲むのは避けた方が良いと思います。
⑧ コーヒーフレッシュ
飲食店などでコーヒーと一緒に付いてくる、白いプラスチックに入ったものです。
ミルクのような感覚で入れている方も多いと思いますが、実際には安価な油(植物油脂)で出来ているものが多いです。
また、トランス脂肪酸が含まれているものも多くあるようです。
そこまで量を飲むものではありませんので、健康への影響は限定的ですが、健康的なものではないことは知っておきましょう。
ブラックでは飲みにくいという方は、牛乳や豆乳などを入れることをおすすめします。
4 まとめ
今回は一般的に健康的なイメージがあるけど、摂取に当たっては注意が必要なものを紹介しました。
健康に良いと思って食べて(飲んで)いるものが、実は健康に悪いとなるとショックですよね。
日々の食生活は、健康を左右する大切な要素です。
『なんとなく健康に良さそうだから』、『カロリーが低くて、痩せそうだから』という理由だけで選ぶのではなく、今回ご紹介した注意点を踏まえて、より健康的な生活を目指しましょう。
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