歯石の除去で健康を維持!歯周病予防だけではない、歯石除去のメリット

スポンサーリンク
健康習慣

スポンサーリンク

1 はじめに

 今回は「歯石の除去」の健康効果についてまとめました。
 実は、歯医者さんでの定期的な歯石除去は、健康を守るための大切な習慣になります。

歯石は歯周病の原因となり、放置すると歯を失うだけでなく、心臓病や糖尿病、肥満などの全身の病気にもつながる可能性があります。

この記事では、歯石の恐ろしさと、歯石除去の重要性について解説します。

〇 今回の記事を読むメリット

  • 歯石除去の重要性を理解できる: 歯石がもたらす健康への悪影響や、歯石除去のメリットを具体的に知ることができます。
  • 歯周病予防の知識が得られる: 歯周病の原因や予防方法について、わかりやすく解説しています。
  • 健康な生活を送るためのヒントが得られる: 歯周病によって、全身の健康にどのように影響するか、健康的な生活を送るためのヒントを得ることができます。

2 歯石とは何か?

歯石は、食べカスや口の中の細菌が、唾液中のカルシウムと結びついて石のように固まったものです。歯石になる前の状態は歯垢と呼ばれ、歯ブラシで落とすことができますが、歯垢が固まり歯石となってしまうと、歯ブラシで磨いてもなかなか落とすことができず、歯と歯茎の境目などに溜まってしまいます。歯石は、歯周病の原因となる細菌の巣となり、そのまま放置すると体に悪影響があります。

3 歯石が引き起こす悪影響

歯石が溜まると、次の様な悪影響を与えることがあります。

【口内への影響】

  • 歯周病: 歯周病は、歯を支えている歯槽骨を溶かしてしまう病気です。歯がぐらついたり、最終的には歯を失う原因になります。
  • 口臭: 歯周病によって口臭がひどくなることがあります。

【全身への影響】
歯周病菌が血管に入り込むことで、口内だけではなく全身の健康にも影響してきます。
歯周病によって、様々な病気のリスクが高まるという研究結果があります。

【歯周病による病気のリスクの向上】
(具体的には、歯周病は糖尿病、メタボリックシンドローム、肥満、摂食障害、肝疾患、心血管疾患、アルツハイマー病、関節リウマチ、妊娠の悪影響、がんと関連していることが報告されている)

 Specifically, periodontal disease has been associated with diabetes, metabolic syndrome, obesity, eating disorders, liver disease, cardiovascular disease, Alzheimer disease, rheumatoid arthritis, adverse pregnancy outcomes, and cancer 
引用元_Oral health’s inextricable connection to systemic health: Special populations bring to bear multimodal relationships and factors connecting periodontal disease to systemic diseases and conditions_Department of Orofacial Sciences, School of Dentistry, University of California San Francisco, San Francisco, California, USA_PMCID: PMC8457130 NIHMSID: NIHMS1741586 PMID: 34463994

歯周病の予防のためにも、歯石を付けないことが重要ですね。

4 歯石の予防と除去の頻度

 歯石を予防するためには、もちろん毎日の歯磨きが重要です。歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシも使って、歯と歯の間の汚れを落とすことが推奨されます。これによって、歯石のもとになる歯垢を落とすことができ、口臭の防止にも役立ちます。
 ただし、丁寧に行っても取り切れない歯垢が歯石になることはどうしてもありますので、定期的に歯科医の先生に診てもらうことをおすすめします。
 一般的に歯石の除去の頻度は、歯周病のリスクが高い方は年に1~4回とされています。
 

【歯周病のリスクが高い方に推奨される歯石除去の頻度】
(歯周炎と診断された患者において、積極的治療が完了した後、定期的なスケーリングを行うことで、歯の喪失リスクの低減、歯周病の再発予防、そして糖尿病患者においては医療費の削減につながるという確固たるエビデンスがあります。スケーリング間隔は3~12ヶ月とし、個々のリスクプロファイルと歯周病の状態に合わせて調整する必要があるという確固たるエビデンスがあります。)

In patients diagnosed with periodontitis, once active treatment is complete, there is robust evidence to support routine scaling to reduce risk of tooth loss, prevent periodontal disease recurrence, and, in patients with diabetes mellitus, reduce health care costs. There is strong evidence that scaling intervals of 3 to 12 mo should be tailored to an individual’s risk profile and periodontal conditions.
引用元_Benefits of Dental Scaling and Polishing in Adults: A Rapid Review and Evidence Synthesis_D.C. Matthews https://orcid.org/0000-0003-2013-6303 debora.matthews@dal.ca and H. Al-WaeliView all authors and affiliations_First published online October 9, 2024

また、健康な方であっても、歯石の除去を受けたことがある方と無い方を比較した結果、受けた事がある方の方が病気のリスクが低かったという研究結果があります。
 ここ数年歯科医に行っていないという方は、1度診てもらうのが良いでしょう。

【歯石除去の有無による健康への影響】
(平均7年間の追跡期間中、歯のスケーリングを受けたことがある10,887人(曝露群)と、年齢、性別、併存疾患をマッチングさせた歯のスケーリングを受けていない10,989人(非曝露群)が登録された。曝露群は非曝露群と比較して、急性心筋梗塞(1.6% vs. 2.2%、P<.001)、脳卒中(8.9% vs. 10%、P=.03)、および全心血管イベント(10% vs. 11.6%、P<.001)の発生率が低かった。)

During an average follow-up period of 7 years, 10,887 subjects who had ever received tooth scaling (exposed group) and 10,989 age-, gender-, and comorbidity-matched subjects who had not received tooth scaling (non-exposed group) were enrolled. The exposed group had a lower incidence of acute myocardial infarction (1.6% vs 2.2%, P<.001), stroke (8.9% vs 10%, P=.03), and total cardiovascular events (10% vs 11.6%, P<.001) when compared with the non-exposed group.
引用元_The association of tooth scaling and decreased cardiovascular disease: a nationwide population-based study_Zu-Yin Chen 1, Chia-Hung Chiang, Chin-Chou Huang, Chia-Min Chung, Wan-Leong Chan, Po-Hsun Huang, Shing-Jong Lin, Jaw-Wen Chen, Hsin-Bang Leu_PMID: 22483056 DOI: 10.1016/j.amjmed.2011.10.034

 歯石のつきやすさや、歯周病のリスクは人によって異なりますので、まずは歯科医の先生に相談して自分に合った頻度を決めてみましょう。

なお、私は金属の歯間ブラシが苦手なので、毎日これを使っています。柔らかく歯茎に優しいですが、耐久性もそれなりにあって重宝しています。

5 まとめ

 歯石除去は、単なる歯のクリーニングだけではなく、全身の健康のために重要です。
 歯医者さんに苦手意識がある方もいらっしゃると思いますが、定期的な歯石の除去はメリットが多くありますので、是非日常生活に取り入れてみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました